2005年10月06日

やり残した宿題

今週末もまた沢に行こうと思う。
今度は単独行にしようと思う。
天気をずっと気にしているのだが、どうやら太平洋側は曇りか雨だが、日本海側はまずまずよさそうである。だから日本海側の山に行こうと思う。

今日は資料などを読み、ずっとどこへ行くか検討していたのだが、やはり、あれこれ検討するふりをしつつも、実は行く先は初めから決まっていた。大学二年の秋に一度単独で遡行した、奥只見の恋ノ岐川にまた行こうと思う。あの時は途中から雨になったので支流のエスケープルートをとって平ガ岳に登った。だから今度はできるだけ本流を詰めたい。やり残した宿題のようなものだ。2泊3日かかり山深いが、本流もそれほど困難ではないはずだ。

7年前は、ありったけの勇気を出して単独で行った。3級の沢がどのようなものか全く知らなかったからだ。行ってみたらそれほど困難を感じず、ただただ美しかった記憶がある。一泊目はブナの原生林の中で焚き火をし、二泊目は頂上付近にツェルトを張り雨の中寝たのだが、結構寒かったのを覚えている。そしてシュラフの中で苦しい体勢でとある女の子に手紙を書いたのも覚えている。内容は他愛の無いもので、特にその人に恋していた訳ではなかった筈だが、すごく心を込めてたった今遡行した沢の良さなどを書いた覚えがある。今読むとハズカシくて破り捨てたくなる内容なのは間違いない。

あの頃と今とで、一体どれだけ僕は変わったのだろう。きっと黙々と谷を歩きながらそんなこんなを想うのだろう。7年の間には旅をはさんでいる。いろいろあったのは確か。でも相変わらず山は好きだ。

最近読んだ本にこんな一節があった。
尊敬する登山家、志水哲也さんの本にあった一節。

人の情熱を色にしたようなナナカマドが、池の周囲をまばゆく彩っていた。水面に映る「逆さ剱」はもううっすらと新雪がかかっている。ナナカマドたちは、この時ばかりに生命を完全燃焼させる。人も一生に何度か、このように燃えるべき「時」というものがあるように思う。
(中略)
人は燃えるべきときにしっかりと燃えていなければいけないんだ。ひとつひとつ曖昧に終わらせてはいけない。季節の移ろいよりも、人の心はさらに気まぐれの情熱と失望に満ち満ちていて、それでいてぼんやりと忘却していくものだから。
(『黒部物語』志水哲也 みすず書房より)

今週末の奥只見は、紅葉の最盛期にはまだすこし早いかもしれない。でも山頂付近は色づいていると思う。ブナは紅葉しているだろうか。静かな山旅になれば嬉しい。

投稿者 tsuyoshi : 2005年10月06日 22:40

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